ハイキュー!! レビュー

作者: 古舘春一 / ジャンル: スポーツ・少年 / 出版社: 集英社

更新日: 2026年3月25日

★★★★★

作品データ

巻数全45巻(完結済み)
連載誌週刊少年ジャンプ
アニメあり(MBS)
劇場版あり(ゴミ捨て場の決戦)

どんな作品?

身長162cmの日向翔陽は、「小さな巨人」に憧れてバレーボールを始める。烏野高校に入学し、天才セッター影山飛雄と出会い、最強の「変人速攻」コンビが誕生。全国の頂点を目指す熱い青春が始まる。

バレーボール漫画と聞いて「ルールわからないし」と敬遠する人もいるだろう。安心してほしい。ハイキューはバレーボールの漫画であると同時に、「才能と努力」「挫折と成長」「仲間と孤独」を描いた普遍的な物語だ。読み終わる頃にはバレーのルールも自然に覚えている。

ここが面白い

  • 全キャラクターに物語がある — 敵チームを含めて全てのキャラに背景とドラマがある。「負けた側」の描写が丁寧で、試合後に泣けることが多い。音駒、青葉城西、稲荷崎、どのチームにもファンがいるのはこのためだ。
  • バレーボールの臨場感 — 試合シーンの緊張感が凄まじい。ボールの軌道、選手の視線、観客の声援が伝わってくるような演出。デュースが続く場面では、漫画を読んでいるのに息を止めてしまう。
  • 日向と影山の関係 — ライバルであり相棒。互いに刺激し合い、成長していく関係が作品の核。最初は噛み合わなかった二人が、試合を重ねるごとにシンクロしていく過程が美しい。
  • 「負け」の描き方 — ハイキューは勝利だけを描かない。むしろ、負けた瞬間の描写にこそ真骨頂がある。敗北を受け入れ、それでも前に進む姿に何度も胸を打たれる。
  • 最終章の「その後」 — プロ編での時間跳躍は賛否あるが、キャラたちのその後が見られる贅沢さ。映画「ゴミ捨て場の決戦」も最高。烏野vs音駒という因縁の対決を劇場で見られた幸福。
「"負け"は弱さの証明ですか?"負け"は成長の証明だ」――この台詞に、ハイキューという作品の全てが凝縮されている。負けてもコートに立ち続ける者だけが、本当の景色を見られる。

スラムダンクと比べてどう?

スポーツ漫画の話になると必ず出る比較だ。結論から言えば、どちらも最高峰であり、優劣をつけるものではない。ただ、両作品の「違い」を語ることで、ハイキューの魅力がより明確になる。

スラムダンクは「天才・桜木花道の覚醒」を軸にした物語だ。31巻という凝縮された巻数で、バスケットボールの魅力と青春の輝きを完璧に切り取った。山王戦は漫画史上最高の試合と言われるし、その評価は揺るがない。

一方、ハイキューは「全員が主人公になれる」物語だ。日向は天才ではない。身長162cmというハンデを持ち、技術も未熟。だからこそ、努力で壁を越えていく姿に多くの読者が自分を重ねる。そしてハイキューの最大の特徴は、敵チームにも等しく物語を与えること。音駒の研磨、青葉城西の及川、稲荷崎の宮兄弟。彼らの物語は主人公サイドに負けない厚みがある。

スラムダンクが「一人の天才の成長」だとすれば、ハイキューは「全員の成長の総体」。45巻という長さだからこそ描けた群像劇の厚みが、ハイキューの唯一無二の価値だ。どちらか一つ選ぶ必要はない。両方読めばいい。

こんな人におすすめ

  • スポーツ漫画が好きな人
  • チームワークの物語に感動したい人
  • スラムダンクが好きだった人
  • 完結済みの名作を探している人
  • 「負けること」の意味を知りたい人

まとめ

スポーツ漫画の金字塔。全45巻で完結済みなので、一気読みに最適。バレーボールを知らなくても、仲間と共に戦う熱さと、全力で挑んだ者だけが見られる景色に心を打たれる。読んだ後にバレーボールを始めたくなる人が続出するのも納得。この作品は「頑張ること」を肯定してくれる。才能がなくても、背が低くても、何度負けても、コートに立ち続ける限り可能性はゼロにならない。そのメッセージは、スポーツを超えて全ての人に響く。

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