ダンダダン レビュー
作品データ
| 巻数 | 既刊18巻(連載中) |
|---|---|
| 連載誌 | 少年ジャンプ+ |
| アニメ | あり(MBS) |
どんな作品?
UFO を信じるオカルト少女モモと、幽霊を信じるヤンキー少年オカルン。「宇宙人なんていない」「幽霊なんていない」と互いに否定し合った結果、それぞれ本物に遭遇してしまう。宇宙人の力と妖怪の力を手に入れた二人のドタバタバトルが始まる。
ジャンルで言えば「バトル×ラブコメ×ホラー×SF×都市伝説」。こう書くと情報過多に見えるが、読んでみると全てが自然に混ざり合っている。この渾然一体感こそダンダダンの最大の武器だ。
ここが面白い
- 画力がえぐい — 元チェンソーマンのアシスタントだった龍幸伸先生の画力が圧倒的。アクションシーンの迫力とコマ割りのセンスが段違い。見開きページの構図力は現役漫画家の中でもトップクラスと言っていい。
- テンポが異常に速い — 1話の情報量が多いのに読みやすい。毎話クライマックスのような濃密さ。週刊連載のリズムで読むと贅沢すぎるくらいだ。
- ホラー×コメディの絶妙さ — ターボババアやフラットウッズモンスターなど、怖いはずの敵がコメディタッチで描かれる。怖いのに笑える不思議な体験。ページをめくる手が汗ばんでいるのに口元は笑っている、という不思議な読書体験ができる。
- モモとオカルンの関係 — バトルの合間に進む二人の恋愛模様が初々しくてニヤニヤする。青春要素もしっかり。互いに好意を持ちながらすれ違う感じが、読者の心をしっかり掴む。
- 脇キャラの魅力 — ジジやアイラなど、後から加わるキャラクターたちも強烈な個性を持っている。特にジジの切ないエピソードは、バトル漫画の枠を超えた感情の深さがある。
元アシスタントが本家を超える?
龍幸伸先生は藤本タツキ先生(チェンソーマン)のアシスタント出身。アシスタント出身者が独立後に成功する例は漫画界に数多いが、ダンダダンの場合はその成功の仕方が異質だ。
チェンソーマンの影響は確かに感じる。予測不能な展開、映画的な演出、ジャンルの垣根を壊す自由さ。しかしダンダダンには藤本作品にはない「陽」のエネルギーがある。チェンソーマンが「壊す」漫画だとすれば、ダンダダンは「混ぜる」漫画だ。ホラーもSFもラブコメも全部放り込んで、それを圧倒的な画力で一つの作品にまとめ上げている。
「本家を超えた」と言うつもりはない。そもそも方向性が違う。ただ、アシスタント時代に培った技術を自分のスタイルに完全に昇華させているという意味で、龍幸伸先生は「次世代の漫画家」として独自のポジションを確立している。ジャンプ+という媒体の自由度も、この作品の爆発力を後押ししているだろう。
こんな人におすすめ
- チェンソーマンが好きな人
- オカルト・都市伝説が好きな人
- ハイテンションなバトル漫画を求めている人
- アニメで話題になって気になっている人
- 「画力で殴られる」体験をしたい人
まとめ
連載開始直後から「ジャンプ+の新たな看板」と言われたのも納得の完成度。画力、ストーリー、キャラクター、テンポ、全てが高水準。今のジャンプ+で最も勢いのある作品の一つ。アニメも好評だが、原作の圧倒的な画力はぜひ紙で体感してほしい。18巻でまだまだ追いつける。この勢いに乗り遅れないうちに読み始めることを強くおすすめする。
